2016年6月10日金曜日

常子の習慣

とと姉ちゃん。第45話。(すみません。録画したものを時間ある時にまとめて観てますので、遅れています。。。)









ちょくちょく出てくるお仏壇。
常子は毎朝、必ず出掛ける前にお仏壇に手をあわせます。
習慣というのは大切です。
お荘厳もごちゃごちゃしてなくて綺麗です。ぜひ、お手本に。









真光寺のあるご門徒さんの話。


その方はこのドラマの常子の家族のように旦那さんを若くして亡くされました。

そのご縁でお仏壇をお迎えしました。
普通ならお仏壇は仏間に。
しかし、その方はそこには安置しませんでした。
どこに迎えたかというと、玄関近くの台所に。


一番自分がいる場所、子供たちが学校に行く前に手を合わせやすい場所に置きたいという奥さんの想い。



有難いな。と思いました。



その想いにさせているのは間違いなく仏様となられた旦那さんではないでしょうか。
手を合わすはずのなかった身が手を合わすようになる。
そこには間違いなくいつでもどこでも私にはたらいてくださっている方がいます。











浄土真宗のご門徒さんであった詩人、金子みすゞさん。
みすゞさんの詩に『お仏壇』というものがあります。



『お仏壇』

お背戸でもいだ橙も
町のみやげの花菓子も
仏さまのをあげなけりゃ
私たちにはとれないの

だけど やさしい仏さま
じきにみんなに下さるの
だから私はていねいに
両手をかさねていただくの

家(うち)にゃお庭はないけれど
お仏壇にはいつだって
きれいな花が咲いてるの
それでうち中あかるいの

そしてやさしい仏様
それも私にくださるの
だけどこぼれた花びらを
踏んだりしてはいけないの

朝と晩とにおばあさま
いつもお燈明あげるのよ
なかはすっかり黄金だから
御殿のやうに かがやくの

朝と晩とに忘れずに
私もお礼をあげるのよ
そしてそのとき思うのよ
いちんち忘れていたことを

忘れていても 仏さま
いつもみていてくださるの
だから 私はそういうの
「ありがと ありがと 仏さま」

黄金の御殿のやうだけど
これは ちいさな御門なの
いつも私がいい子なら
いつか通ってゆけるのよ









朝と晩とに忘れずに私もお礼をあげるのよ
みすゞさんの家では朝と晩にお仏壇の前に座る習慣があったようです。
「お礼」とは御念仏です。
手を合わせ、口に南無阿弥陀仏と御念仏することを昔の方々はわかりやすく「お礼」という表現をしました。


お仏壇は
こちらの願いを叶えてくれとお願いするのではなく、
たたりや幽霊になって悪さをしないように手を合わるわけでもなく、
お礼をさせていただく場であります。



ぜひ、お仏壇でお礼を申す習慣を。



                                                                                                                        若院