この度は入仏式のご縁。
「仏壇なんかいらん!」
と、お仏壇の大切さがなかなか次世代に伝わっていない中、この度の入仏式のご縁は20代の若い方。
久々のマンションでの法務でした。
「その歳でお仏壇を?!
もしかしたら、身内が亡くなったからお仏壇を?」
と、思う方もいらっしゃるでしょう。
「お仏壇は人が亡くなったら、持つもの。」
という理解だったら、もしかしたらこの20代の方がお仏壇をお迎えした意味がわからないでしょう。
お仏壇とは、亡くなった人のためのみならず、私のためにあるものです。
お念仏をよろこばれた我々の先輩方が「大切なことを聞いておくれよ。いつでもどこでもお前によりそってくださる仏様をいただいてくれよ」
と残してくださった大切なものです。
平成17年の年末の朝日歌壇
浄土のある考え方の豊かさよ
無に帰することの何とさびしき
何のために生きているのか?
どこに向かっているいのちなのか?
私どもの人生に意味をもたらしてくださる阿弥陀様にこの方は出遇われたのでしょう。
自宅にお仏壇があることで、毎日、如来様にお給仕をさせていただくことで、生活の一部に仏様の香りを感じる家庭になります。
仏縁に遇わなくても、遇っても、
どちらにせよ、つらいことかなしいことやどうしようもない別れがいつか経験します。
しかし、そんな悲しみの中でもまた会える世界、お浄土を受け入れられた人生は決してむなしくはないでしょう。
無に帰する考え方ではなく、お浄土のある考え方。
あきらかに、豊かな人生になることでしょうね。
そして、仏縁に出遇い慶ばせていただくことが、そのまま御先祖の方、縁ある方が慶んでくださります。
それが本当の御供養です。
「あの方のおかげで、あの人のおかげで大切なことを聞かせていただいた。大切なものに出遇わせていただいた」
と慶んでいけるそれが何よりの御供養なのです。
入仏式はお祝いの式。慶びの心をあらわす朱蝋。本当に有難い尊いご縁に遇わせていただきました。
テレビの上にお仏壇。親子で目に付きやすいところにしたそうです。
若院