(平成18年9月24日 日経新聞 岡山県 大本武千代)
季節はちょっと違いますが、天草のバンカンをお世話になっている有縁の方々に送らせていただいております。そのついでに数個、自分たちの分も取り寄せます。
小さい頃、母がよく剥いて食べさせてくれました。
皮を皿代わりにし、じょうのう膜(薄い皮)までとってくれてあとはもう食べるだけの状態。
当時当たり前のように、パクパク食べていたバンカン。
今年、娘に食べさせる時にその事を思い出しました。
嬉しそうに食べる娘。皮を剥くことがまったく苦にならない不思議。
母はどんな思いで剥いてくれていたのだろう。今、娘にバンカンを剥く私と似た思いで剥いていてくれたのだろうか。
娘のおかげで気付かせていただいた母のご恩でした。
有難いことです。