2018年11月6日火曜日

足元に

幸せの道は足元にあり 
            迷える人は遠くに求む     
                                      作者不明





日本は昔と比べて、だいぶ豊かになってます。
しかし、しあわせと感じてる人は昔と比べても対して変わらないみたいですね。むしろ、そうじゃなくなったというご門徒さんもいらっしゃいました。
豊かになって、失われたものがあるというご門徒さんまでいらっしゃる。。


そうかもしれません。











いつかのご法事のこと。

あるご門徒さんがおっしゃった。

「昔はな、食べ物がある。それだけで嬉しかったんじゃ。しかし、最近の若者は当たり前のように食べよる。昔のことを知ってる私は一食一食を有難くいただいてるよ」



そのご門徒さんの前に食事が出てきた。。。
その時の一言に皆がびっくり。

「なんだこれは。昨日も食べたじゃないか!」

親戚の方が一斉につっこむ。

「じいちゃん!ほら!自分の言葉!」
ゲラゲラみんな笑っていました。


昔の人ももう今の生活をしています。だからこそ、いつのまにか当たり前となっていく。他人のことはよく見えるけど、自分のことを見つめることは難しいですね。


私たちは迷ってます。
しかし、仏様とお出遇いし、仏法を鏡とし、自分を見つめ、足元を見つめなおしたときに、迷った中からでも光の中を歩んでおることに気付いていけるのでしょう。


『人の世は、上見れば上で 
                 下みれば下で 限りなし
 吾れ 半身不随なれど いまだ右手あり、
                       耳あり、右足あり
 吾れ 脳腫瘍なれど 
         いまだ味あり 色彩あり 音あり
            声あり 言葉あり 匂いあり
 それもやがて消えゆく身なれど 
 尚念仏あり み仏あり 大悲あり 浄土あり
 吾れ 尚 仕合わせなりき』  
                                                            (武内キヌエ)