2018年11月11日日曜日

保育園のコラム

保育園のコラム。



よろこび

「コンニャクは味もそっけもないものだと思って見ると、そうでしかないんです。でも、その奥に隠れた見えないものをしっかり見れば、そのすばらしさを感じることができるんです。」

高橋一生主演ドラマ『僕らは奇跡でできている』。仏教的な見方が多く、いつも楽しく拝見しているドラマ。そのドラマの一言です。

何気なく食べているコンニャク。その背景には、物語がありました。

コンニャク芋の状態では灰汁がひどくて食べることができない。その芋を先人たちは試行錯誤し、完成したものが今私たちがいただいているコンニャクです。コンニャクの背景には作った人の想いやご苦労があったのです。

これはコンニャクだけの話ではないですね。人参でもピーマンでも、牛肉や魚でも。

また、食べ物だけではない。人にも一人一人の背景に違った物語があります。その人に関わり、育て、愛した家族や友人や恩師がいます。

悩んだり苦しんだり、嬉しいことや悲しいことをそれぞれに経験して、今の私やあなたがいます。

その人の背景の物語を感じることができたときに、少しは人に優しくなれるのかもしれません。あの人を傷つけたら、きっと悲しむ方がいると気付き、思い留まることができるのかもしれません。

見えているものよりもその奥に隠された見えないものの方が大切なことが多いです。昔の方々はそのことを知っていました。その証拠に言葉として残っていますね。「お陰様」「有難う」「生前」などなど。

ののさまも見える部分の表面だけを捉えれば、ただの仏像であり、絵像です。

しかし、その背景の物語を感じていけたときに手を合わせずにはおれなかったと感じ、手を合わせることのなかったこの身が手を合わせる身にお育ていただいていけるのでしょう。