「豊年」
豊かな年。お年寄りは心が豊か。いいなーと思って、広辞苑で調べてみたら、
「穀物のよく実った年。豊作の年。豊の秋」とありました。
お年寄りをあらわす言葉ではない。。。
よくよく考えてみると、昔は「御老人」「お年寄り」「ご年配」という言葉自体が、年齢を重ねた人を敬った言葉であったのではないでしょうか。
しかし、最近は「老い」が敬われない時代ですね。
関東の方で、保育園建設反対のニュースでお年寄りが子供の声を騒音と表現していた方がいらっしゃいましたが、、、
自分たちも小さい頃、周りの支えの中で育ってきたはずなのに、、、。それも今以上に横のつながりがあったでしょうから、今以上の支えの中で。。。少し悲しいですね。
ある布教使の方が
「歳をとるのは透明なエレベーターを少しずつ上に上がっていくようなものだ」
とおっしゃっていました。
1、2階のときは見えなかった景色も
50階、70階に上がったら、遠くまで見えなかった景色が見えるようになります。
それと同様に歳を重ねるごとに、見えなかったものが見えるようになり、感じられなかったものが感じれるようになる。
本来は、歳を重ねるごとに心が豊かになっていくものなのでしょう。
年々に
悲しみは深くして
いよよ華やぐ
いのちなりけり
岡本かの子
太陽の塔を設計した岡本太郎氏の母親である岡本かの子さんという御念仏者の詩。
友人や親との死別
身体が言うことを聞かなくなっていく
その悲しみは深くなっていきます。
しかし、そんな中、いよよ華やぐいのちなりとよろこびを表現しています。
仏様に出遇ったよろこび、仏様にお育ていただいてるよろこび。
まだ、30階までしか登っていない私にはまだまだこの景色は見えませんが、この詩に共感し、いのち華やぐ景色をみている方が羨ましく、また有難い方だと思います。
話は変わりますが、
今日、境内の掃除をしてくださった法友会の方々、有難うございました。
若院